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白瀬・南極探検100年

連載企画

大和雪原到達100年 白瀬からのメッセージ

国際的評価

「英雄の時代」に名刻む

 勇敢な探検家たちが南極大陸とその周辺で活躍した19世紀末から20世紀初頭は、南極探検史の中でも「英雄の時代」といわれる。そのピークである人類初の南極点到達競争から100年の節目を前に、海外で白瀬矗(のぶ)中尉関連の書籍の出版が続いた。

記録集の英訳本出版

 一昨年、米シアトルの古書店主が白瀬の業績をまとめた英語の本を刊行。昨年12月には、英国で白瀬南極探検隊の公式記録集「南極記」の英訳本が初めて出版された。白瀬研究が国際的に進むことが期待される。

 南極記を翻訳したケンブリッジ大スコット極地研究所の南極書誌学者ヒラリー・シバタさん(64)は、きょう28日の大和雪原(やまとゆきはら)到達100周年記念式典出席のため来日中。英訳本について「白瀬の功績が国際的に高い評価を受けるきっかけになってほしい」と話す。

「南極記」の英訳本(右)と原本を手にするシバタさん=にかほ市・白瀬南極探検隊記念館

 シバタさんがスコット研究所に日本の南極探検隊の記録集があることを知ったのは1994年。「国際的に貴重な資料なのに、欧米で全く知られていない」と感じ、当時日本で暮らしていた長女ララ・ダグネルさん(38)に協力を求めて翻訳を始めた。

 13年に発行された南極記の原本は、旧字体の漢字も多く翻訳は難航した。日本では国立極地研究所(東京)の楠宏名誉教授らが協力。2004年には、シバタさん自身が白瀬南極探検隊記念館(にかほ市黒川)を取材して理解を深めた。17年かけて出版にこぎ着けた時には、スコット研究所でセレモニーが行われたほか、英BBCのテレビ番組で紹介されたという。

 「南極記を読むと、当時の南極や日本文化のことがよく分かる。小さな町で生まれ、大きな夢をかなえた白瀬の志も伝わってくる」とシバタさん。

世界の研究者が講演

 来月25、26日には東京・一橋記念講堂で南極探検史をテーマにした国際講演会が開かれる。元南極観測隊員の親睦組織「南極OB会」などが主催し、英国をはじめノルウェーやベルギー、韓国から極地研究者を招き、アムンゼン、スコット、そして白瀬が繰り広げた南極点到達競争を振り返る。シバタさんも講師の一人だ。

 講師招聘(しょうへい)に奔走した元国立極地研究所所長の渡邉興亞さん(72)は「白瀬が『英雄の時代』の探検家に名を連ねているのは驚くべきこと。当時の日本には極地探検の歴史も情報も何もなかったのだから」と語る。

 国際講演会は、世界の極地研究者の視点から、南極探検史における白瀬の業績を再評価する貴重な機会となるだろう。

<終わり>

(2012/01/28 付)

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