さまようクマ:被害者の視点(1)すみか守る、人もクマも

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谷藤さんの顔には、襲われた傷痕が残る

 さまざまな形でクマの被害に遭う人たちがいる。人とクマの境界が揺らぐ現状をたどる連載「さまようクマ」の第9部は、そうした人たちの思いを通じ、人とクマの関係を考えていく。

 ◇  ◇

 東成瀬村岩井川の猟友会員、谷藤徳左エ門さん(68)は、顎の下に10センチほどの縫い痕がある。

 1カ月余り前、クマにやられた。

 自宅近くの成瀬川にクマが出たと近所の人から連絡があったのは、5月1日の夕方。猟友会の仲間と2人、様子を見に行った。

 対岸の黒い塊がうずくまったクマに見えたが、斜面を20メートルほど下って確認すると、泥の塊だった。戻ろうとした時、斜面の陰からクマが飛び出してきた。

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